ONO's Voice
- 「nmsグループの原点」
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よく「なぜ人材ビジネスの会社が、今の事業構造に変化したのですか?」と聞かれます。
今回はその原点についてお話したいと思います。
- 「モノづくりのベースとなる人材そのものに携わる仕事を」
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私が教育・研修事業を経て、人材派遣事業に巡り合ったのが1994年。モノづくりのベースとなる「人材(ひと)」そのものに関わる仕事がしたい、との思いから、製造分野を中心とした派遣・請負に携わり始めました。
1996年、縁あって移籍した会社で新たに「アウトソーシング事業部」を立ち上げました。約3年半で売上規模が35億円となる中、1999年に現在の当社前身となる会社(1985年9月設立)が「アウトソーシング事業部」の営業権を譲受、私は引き続き事業責任者として邁進しました。そして、2000年に社名を「日本マニュファクチャリングサービス」に変更、2002年からは経営者として、陣頭に立つことになりました。
一方、事業を進める中で強く感じていたことが「自分たち自身がモノづくりの概念を持たなければ、次の展開は見えてこない」ということでした。
- 自社工場を持ち「モノづくり」の世界へ~HS事業
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技術者の派遣や製造現場の管理を行う中、「工程を丸ごとアウトソーシングしたい」というお客様の声が多くなりました。家庭用ゲーム機の修理ビジネス等、当社のアナログ技術への評価もいただく中、機を捉え、岩手県に自社工場を持ちました。これが「モノづくり」の入口に立ったきっかけです。
海外で生産を行うお客様からは「現地で日本と同様の人材サービスを」という声をいただくようになりました。中国やベトナム、タイに子会社を設け、現地調査を行った上で、日本のモノづくりに適した人材の確保、お客様の生産拠点への派遣を展開しました。
今では、カンボジアやラオスにもそのリソースが拡がっています。2017年には外国人技能実習生を総合的にサポートする会社も設立し、その輪は年々大きくなっています。
- シナジーが活かせる技術ノウハウを蓄積~EMS事業
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次の展開として、シナジーが活かせる技術ノウハウの蓄積を考え、当時欧米で急成長していたEMSに着目しました。EMSは世界各地に生産拠点を持ち、お客様に近く、コストメリットが得られる国・地域で生産を行います。そこにnmsが持つ人材ビジネスのノウハウを融合させることで「人もモノも機動的に動かせるのではないか」と考え、「neo EMS」というコンセプトを定義し、早速、日系EMS企業の探索に動きました。
そして、2010年に志摩電子工業を、2011年にはTKRを傘下に収め、基板実装から完成品までの技術を確保、成型・プレスを含め完成形に近いモノづくりができる力を得ました。
この2社が現在のEMS事業の母体です。最近では、HS事業のベトナム工場にEMSのノウハウを融合させ、立ち上げから順調に生産規模が拡大しています。
今後、製造業のファブレス化が進んでいくことが予想され、さまざまな製造工程が外部委託化されていく可能性があります。培ったノウハウを積み上げながら、機を逃さず、他社にはできない提案・サービスで事業をグローバルに拡大していきます。
- メーカー機能から生まれる進化~PS事業
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EMS事業という新しい柱を確保し、事業構造に厚みが生まれる一方、特長や強みをさらに高める必要があると考えました。開発、設計といった製造における上流プロセスの機能を持ち、世の中になくてはならない製品、技術力を備えた企業集団への進化です。
そこで巡り合ったのが、電源事業です。2013年、TKRが日立グループから電源をはじめ、トランスや車載チューナー、映像ボード等の事業を譲受し、技術基盤を強化しました。
さらに、2014年にはパナソニックから一般電源事業を譲受、パワーサプライテクノロジー(PST)が発足しました。これにより、電子・電気機器の製造受託を行うEMS に加え、電源関連製品の開発から設計、製造、販売まで行うメーカー機能を持つことができました。
PSTは主軸の電源製品に加え、EV関連製品の開発で新規分野へ参入、新たな展開を見せており、端境期から転換しつつあります。
- 成長・発展のステージへ
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私たちの経営理念の中に
経営姿勢
常に変革を好機と捉え、私心なき姿勢で、決して逃げず慌てず、前を向いて進み、
その時の最善を追求し、一歩先を読む、革新的存在としてのグローバル企業を目指す
があります。
まさに、これをいかに具現化していくか、です。
そして、その主役は「人材(ひと)」です。
私の使命は、事業を成長させていく中で、一人ひとりが志を持って活躍できる舞台をつくっていくこと。
その成果の積み重ねがnmsグループの成長の源となります。
2017年はnmsグループにとって、大きなステップとなった年でした。
2018年も緩まず、さらなる高みに向かって走り続けます。
これからも、nmsグループの挑戦にご支援お願いいたします。
HS :ヒューマンソリューション事業
EMS:エレクトロニクス・マニュファクチャリングサービス事業
PS :パワーサプライ事業